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2003年3月14日

所沢市情報公開・個人情報保護審査会

会長 川口 雄市 様

 

異議申立て人 大和田 諭史

 

住民基本台帳ネットワークシステムに係る異議申立てに対する追加資料の提出について

 

 2002年12月19日の個人情報保護審査会において、異議申立ての口頭意見陳述(私を含め市民6名と補佐人2名の合同による)を行い、2003年2月13日に追加資料の提出を行ないました。さらに、下記の資料を提出致します。どうぞよろしくお願い致します。

 

 

1、補佐人 西邑亨氏作成 追加意見書、及び附属資料

*資料1 「追加意見書及び附属資料」

 

2、志木市の住基ネットに対する取組みと報告書に思う

*資料2 「志木市住民基本台帳ネットワークシステム検討調査会の報告」

200年2月20日、埼玉県志木市住民基本台帳ネットワークシステム検討調査会)

 

3、電子政府の欺瞞とITゼネコンの誕生

*資料3 「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」 平成12年11月29日

*資料4 「e−JAPAN戦略」 平成13年1月22日

*資料5 「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」

*資料6 「IT不況」 平成13年11月7日総務省

(以上、首相官邸ホームページ、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部より)

*資料7 「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」 (当方作成)

*資料8 「日本国家予算、税収に見るIT投資の推移」 (当方作成)

 

4、総務省による自治体の主体性を無視した指示、押し付け

*資料9 「住民基本台帳カードの発行準備等に関する留意事項について」

2003年1月21日、総務省自治行政局市町村課長

 

5、離脱した東京都国立市の個人情報保護条例の改正と取組み

*資料10 「国立市と所沢市の個人情報保護条例の比較」 (当方作成)

 

6、アンフェアな「行政機関の個人情報保護法案」

*資料11 「行政機関個人情報保護法案・修正提案対照表」(情報公開クリアリングハウス)

 

7、「住基ネットを考える所沢市民の会」市民講演会アンケート結果より

*資料12 「電子政府に住基ネットは必要か!」(市民の会 連続講座3月15日資料)

 

8、所沢市既存住基システムアクセスログ情報公開の結果より

 

9、新聞記事より

・金融機関が住民票コード通知票使い本人確認  (2003.02.15 毎日新聞)

・住基ネットの警察利用は可能 片山総務相が答弁 (2003.01.24 毎日新聞)

・警視庁がセンターに監視カメラ 1年以上保存も (2003.01.25 毎日新聞)

以上

 

 

 

 

 

1、        補佐人 西邑亨氏作成 追加意見書、及び附属資料(別紙のとおり)

*資料1 「追加意見書及び附属資料」

 

 

2、        志木市の住基ネットに対する取組みと報告書に思う

 

*資料2 「志木市住民基本台帳ネットワークシステム検討調査会の報告」

2003年2月20日、埼玉県志木市住民基本台帳ネットワークシステム検討調査会)

 

(1)調査報告書の中の重大な論点

 

A、「e −Japan 重点計画」と住基ネットの関係をめぐって

住基ネットのメリットを考えるために、もっとも広い枠組として「E−JAPAN重点計画」を位置づけて、議論を進めたのは、これを論じることか出来る人が少ない点からも大変意味がある。しかし、それによって生まれたのは、「理由の無さと違和感であった」と指摘し、そこに「コンピュータ・ネットワークをめぐる根本的な問題」を見つけている。

それは、「並列分散型ネットワーク」と「行政・公共分野の従来型トップダウン階層システム」の差異である。行政型を、「たとえネットワークが高い技術で支えられていても、運用する人びとに自覚と緊張感が欠けるようなことがあれば、思わぬところからリスクが発生する」と指摘している。

そして、「担当の省庁や自治体が一方的にネットワークの安全性や信頼性を主張し説得しても、現段階ではかえって、コンピュータ・ネットワークの本質への無理解の表明である、と捉えられかねない」と続き、「住基ネットを住民と直接むすびついている市町村が主体性を持ってネットワークを運用できることがもっとも重要であり、市町村が関与できないところで個人情報が収集、利用される危惧があるという点に、最大の不安の原因がある」と結ぶ。

 

B、法的な問題をめぐって

1の面として、「ネットワークの進展が、プライバシーの権利を容易に侵害する側面を持っている点」を指摘し、「制定された法律がもしもプライバシーの権利を侵害するようであると、より高次の法律である憲法に違反していることも起こりうることから、議論をこのレベルまで進めて、プライバシーの権利をめぐる実質的な検討を行うことが不可欠となる」という。

2の面として、「自治体で定めている個人情報保護の制度との関係で、住基ネットは、国のレベルで個人情報を電算処理することから、これは市の制度と両立するのか」と疑問を投げかけている。

 

C、セキュリティについて

「ネットワーク構築を行っている、ITの専門家集団の生の声が聞こえないまま、国の省庁の担当者たちの声だけが伝わってきているのが現状」をあげ、独自に収集した専門家の声として、「何よりもネットワークの構成が中央集中型をモデルにしていて、インターネットの本来の特徴である分散並列型とそぐわない、そのために幾重にもファイア・ウォール(不正侵入防止装置)を設置しなくてはならない。ここには根本的なジレンマが存在する」と、基本OSウインドウズの問題点とともに指摘している。そして「志木市ではセキュリティについて、国の担当者やITの専門家集団の表面上の主張を鵜呑みにすることなく、自ら問いただし、電子自治体の本来の方向性を指し示せるような力量を貯えていくことが求められている。」と市民との提携の重要性をあげている。

 

D、接続か、離脱か、選択制かをめぐって

離脱した場合や選択制にした場合に起こりうる事態を推測するために、離脱した自治体の実情についての調査もしっかり行っている。また、「接続か離脱か選択制かという議論を越えた、もう一段レベルの高いところでの議論の重要性」をかかげ、「電子自治体の将来像についての方向性を大胆に示すことこそ、志木市が積極的に行うべき役割である」と述べている。

ポイントとして、「電子自治体は本来、各自治体が主体性を持った並列分散型のシステムであり、電子ネットワークの技術もまた並列分散型であって初めてその役割をフルに発揮できる」、という原則。「自治体はIT化に際して、技術的にも主体性を持つことが求められとともに、市民とのパートナーシップや市民による監視の重要性」もあげている

 

E、結論

1 住基ネット参加の自治体および国において、志木市の個人情報保護制度が貫かれていること。

2 行政から独立した監査組織を設け、経常的な監査に当たること。

3 今後、「接続を望まない人の離脱を認める方向での解決」を研究し、それを可能とするための方策を検討すること。

を条件として掲げ、上記すべてがかなわない場合は、離脱をするべきと結論づけている。

 

(2)志木市の取組みと報告書に思う

志木市の諮問機関「住基ネット検討調査会」は2月20日、「接続を望まない人の離脱を認めるべきだ」として、恒久的な市民選択方式の導入を求める中間報告をまとめた。

一方、報告書は住基ネットへの参加条件として選択性の導入ほか、他の地方自治体や国でも志木市の個人情報保護制度が貫かれること、行政機関から独立した監査組織を設けること、などを挙げ、整わない場合は「離脱すべきだ」と提言した。

これに対し、穂坂邦夫市長は「報告は重く受け止めたい。市民の審判を仰いだうえで最終的な態度を決めたい」と話している。

志木市は、平成3 年4 月1 日に「電算処理に係る個人情報保護制度」を実施し、さらに平成7 年4 月1 日に「個人情報保護条例」、「情報公開・個人情報保護審議会」を制定している。昨 年8 月に住基ネットを導入する際にも、審議会では条件付きで住基ネットヘの接続を認めたが、その条件の基本は「志木市で定着してきた個人情報保護制度を尊重すること」にあった。その後、住基ネットから離脱などする自治体が現れ、市民からの苦情も増えたことをふまえ、とった措置は、住民説明会の実施や、市民アンケート調査であった。その中の市民の声を尊重することによって志木市があらためて作ったのが、住基ネット検討調査会であった。

住基ネット稼動前に説明会やアンケート、調査会をなぜ行わなかったのかとの声もあったようであるが、志木市は「システムに対する認識の甘さへの反省と対応の遅れによる苦渋の選択での参加、個人情報を守ることに対し、市としてできる限りの対策をとる。」「導入の準備から今日まで、様々な経緯を尊重する行政の責務と、市民への周知と意向確認が遅れたため、経緯の見直しを図る必要な事前措置がとれなかった。」「不参加の場合における行政自らが法令を遵守しない(疑問はあるが)ことに対する市民への影響を考慮した。」と市民に説明をしている。

そして、「住基ネット参加継続への再検討と、国における個人情報保護の改善等が図れない場合に対する第二次住基ネットへの不参加」「市民に対する説明会の開催と、意向確認及び賛否アンケートを実施する。」「国の条件整備に対する状況把握、第二次住基ネットへの不参加を含む明確な態度決定への市民的合意。」等の論点を指摘し、市政に当たっている。

さらに、国に対して「国会に提出された個人情報保護法は基本的に不備であり、市民のプライバシーを守るための抜本的な法整備を図ること。」「一元管理システムを採用している先進国でも様々な欠陥が露呈しており、これらの欠陥を是正する「新しい抜本的なシステムの開発」を図ること。」「一億総背番号化の懸念に対する国民の合意形成を図ること。」等の具体的な要請も行っている。

志木市は、これらを、条例の理念と主体的に住民自治を行うために当然の事として行っている。

条例の制定の歴史は、所沢市と10年ほどの差があるが、条例の理念・目的の一つである「個人の権利利益の保護を図り、もって公正で信頼される市政の推進に資する」は、どこの自治体もほぼ同じである。

なぜこんなにも自治体によって差があるのか。今回の異議申立てに伴う、市側の資料(追加分も含め、また、所沢市のセキュリティ規則や緊急時対応計画も)を見れば良くわかる。ほとんどすべて総務省の指示、資料の丸写しである。そこには、自分の言葉、表現が何もない。もともと、職場放棄しているかのようである。

しかし、問題意識の高い方も多いはず。まだ、軌道修正は可能です。志木市を参考に所沢市も対応を考えることはできるのではないでしょうか。

 


2、電子政府の欺瞞とITゼネコンの誕生

 

*資料3 「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(概要)」平成12年11月29日

*資料4 「e−JAPAN戦略(要旨)」平成13年1月22日

*資料5「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」

*資料6 「IT不況」平成13年11月7日総務省

(以上、首相官邸ホームページ、高度情報通信ネットワーク社会(IT)推進戦略本部より

*資料7 「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」

*資料8 「日本国家予算、税収に見るIT投資の推移」

(以上、当方作成)

 

 

 住基ネットは、「e−JAPAN計画」、「電子政府」の基盤という表現が使われます。「e−JAPAN計画」は「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」から生まれ、電子政府という言葉は、特に規定はないが、同じく「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」や「e−JAPAN計画」の中で、方針・計画として扱われている。

 また、総務省のホームページの「電子政府の総合窓口」を見る限り、電子政府の目的は紙情報を電子情報に置き換え(情報化)、それをインターネットを通じて公開するものとも受取れる。

 電子政府、e−JAPAN計画について見てみる。

 

(1)「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」、「e−JAPAN戦略」をみると

 

<基本理念として>

すべての国民が、高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用する機会を有し、その利用の機会を通じて個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することが可能となり、もって情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会を実現する。」

 

→「すべての」官僚お得意の言い回しである。

国家公務員法(服務の根本基準)

第九十六条       すべて職員は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

地方公務員法(服務の根本基準)

第三十条           すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

すべてとか全体の奉仕者とかを理由に、すべての自治体、すべての市民に押しつけようとする姿勢は、官僚たちが、自分たちを、権力、権威ととらえている証。

→すべての国民が、本当に必要としているのか、それは何か、情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会とはなんなのか。

→しかし、それは、IT業界や官僚たちに作られた世界としか今は考えられない。少なくとも、すべての人に統一して与えられるものではないはず。すべての人に押し付けている。

 

 

<施策の基本方針として> 

@高度情報通信ネットワークの拡充、コンテンツの充実、情報活用能力の習得の一体的推進

A世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成、公正な競争の促進その他の措置

B国民の情報活用能力の向上及び専門的人材の育成

C規制改革、知的財産権の適正な保護・利用等を通じた電子商取引の促進

D電子政府、電子自治体の推進(行政の簡素化、効率化、透明性の向上)、公共分野の情報化

Eネットワークの安全性及び信頼性の確保、個人情報の保護

F創造性のある研究開発の推進

G国際的な協調及び貢献(国際規格の整備、対LDC協力)

 

→今回注目しているのが、行政・公共分野であるDである。

→ここで、この法律の矛盾が爆発する。

→次の(2)でも具体的に見るが、通常、経営計画は、最大の目的に一番お金をかけるものである。しかし、実際には、順位の下の方針、「行政公共文や分野」に、70%以上のお金を注いでいるのである。

→高度情報通信ネットワークといいながら、公共事業として「行政・公共分野」に大量のお金(税金)を還元し、IT業界=ITゼネコンを作り上げているのである。

→IT推進戦略本部の会議で、総務省は、資料D「IT不況について」、経済産業省は「IT不況と対応策」なる資料まで提出し、IT通信業界の援助を申し出ている。この会議には、IT業界も一部参加している。

→インターネット関連会社の株価が10倍、100倍になったのは、2000年の前半、3年前である。インターネットがすべての人に幸福をもたらす、失われた10年を取り戻せる、すべてのインターネットや通信関連株が上がる、といったインターネット至上主義が、まやかしであると誰もが悟った時期である。ITバブルの崩壊が、過剰な設備投資をした会社を今苦しめているのは当然の結末であり、国民はそれを理解している。

→なのに、そこにお金(税金)を大量に注ぎ込む。不動産や株価が値下がりし、不良債権に苦しむ銀行に公的資金をつぎ込むのといっしょである。

→これが、e−JAPAN戦略、電子政府の本質である。

 

 

 <重点計画として、「e−JAPAN戦略」が策定されている>

民間が自由で公正な競争を通じて様々な創意工夫を行いIT革命の強力な原動力となることができるように、政府は縦割り行政を排し国・地方が相互に連携して市場原理に基づく開かれた市場が円滑に機能するような基盤整備を迅速に行う必要があるとも書かれている。

 

→理念や考え方はすばらしい。中身が伴っていれば。

→しかし、たくさんのうそ(住基ネットでもすべて当てはまる)

 ・民間が自由で・・・予算配分は、NTTや富士通、日立など大手10グループで全体のシェアの8割を占め、あいかわらず大手企業による省庁の分割独占が継続行われている。ある意味では、一部のIT企業と利権政治家、官僚によって役割分担がされている。

 ・公正な競争を通じて様々な創意工夫を行い・・・所沢市の住基ネット予算の受注に一般競争入札は行われず。役所の外郭団体(地方自治情報センター)によって決められた仕様、そこに創意工夫は生まれない。競争なんて生まれるはずが無い。

 ・政府は縦割り行政を排し・・・予算書の明細を見てください。縦割り行政のまま、短期間でまとめあげた状態。横のつながりはどこにあるのか。

 ・国・地方が相互に連携して・・・下には、ほとんど伝わっていません。地方には押し付け。

 

この計画を行う前に、徹底した情報公開の確立と、コスト、効率第一主義の一般競争入札(電子入札制度)の確立をするべきでした。

→「行政改革」抜きの電子政府、「ITの特性」をいかせない電子政府

 

 

「e−JAPAN戦略」重点政策分野として

 

1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策

 5年以内に超高速アクセスが可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進し、必要とするすべての国民が低廉な料金で利用できるようにする。(少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に、また1000万世帯が超高速インターネット網に常時接続可能な環境の整備を目指す。)1年以内に有線・無線の多様なアクセス網により、すべての国民が極めて安価にインターネットに常時接続することを可能とする。IPv6を備えたインターネット網への移行を推進する。

 

 

2.電子商取引

 2002年までに、電子商取引を阻害する規制の改革、既存ルールの解釈の明確化、電子契約ルールや消費者保護等に関する法制整備等誰もが安心して電子商取引に参加できる制度基盤と市場ルールを整備し、電子商取引の大幅な普及を促進する。

 

3.電子政府の実現

 2003年までに、行政(国・地方公共団体)内部の電子化、官民接点のオンライン化、行政情報のインターネット公開・利用促進、地方公共団体の取組み支援等を推進し、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現し、幅広い国民・事業者のIT化を促す。

 

4.人材育成の強化

 インターネット接続環境の整備による国民の情報リテラシーの向上、ITを指導する人材の育成、IT技術者・研究者の育成(2005年までに米国水準を上回る高度なIT技術者・研究者を確保)及びコンテンツ・クリエイターの育成に取り組み、人材という基盤を強固なものとする。

 

→1.は、ほとんど民間ができること。実際に民間により相当目的を達成しています。

予算配分は

1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策 が、 2300億円弱(12%弱)

2.電子商取引 が、                   90億円弱(0.4%)

3.電子政府の実現 が、             1兆3800億円 (71%)

4.人材育成の強化 が、                970億円弱(5%弱)

電子政府の実現が予算面から突出しているとともに、電子商取引、人材育成の予算の少なさ。この二つには力を入れていない証拠か。目的と中身がばらばら。

→さらに、それをとにかく2003年(今年)までに、達成しようとしている。

→これが意味するものは、現状ある事務処理を、ただ電子情報にすぐに置換えろということ。

こんなの高度情報化社会でもなんでもない

→結局、しっかりしたデザイナーがいないまま、言葉だけが一人歩きし、中身をわかっている人がいない。

 

 

(2)「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」からわかること

(=ITゼネコンの誕生)

 

高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算は、e−JAPAN計画の発動により、平成8年の1兆3千億が平成13年に1兆9千億に拡大し、2兆円に迫る勢いです。この金額の内、NTTや富士通、日立など大手10グループで全体のシェアの8割を占め、あいかわらず大手企業による省庁の分割独占が継続行われている。前述の通り、過剰設備投資はつまり経営判断のミスで、ミスによる経営の悪化に税金を注ぐ形になっているが、総務省や経済産業省、財界が肩入れしている。

総務省のシェアは、約2兆円の内、5327億円で、シェアは27.3%、3分の1に近い。いったいこの中でどのくらい、総務省の外郭団体や天下り先にお金(税金)流れているのか。

 

「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」を実験している経済産業省の比率が、895億円の、4.6%と少ないのが面白い。これこそ、高度情報通信ネットワーク社会の形成という気がするが、要するにこの計画が、ほとんど総務省の縄張りという縦割りを端的にあらわしている。住基ネットで言えば、ICカードは、住基カード(総務省方式)で決まりと言いたいのでしょう。

 

(3)昨今の日本の政治経済

 日本の財政赤字は国と地方で700兆円(国民一人当り560万円)、長期年金債務残高は800兆円を超え、特殊法人や第3セクター等の債務100兆円を足すと、日本の借金は1600兆円(国民一人当り1300万円)となる。個人の金融資産は1400兆円を割ってきた。国全体では債務超過状態である。

 日本の税収も減ってきている。バブル期に60兆円あった税収が、今は3分の2の40兆円強。一般会計の80兆円との差は、公債発行による埋め合わせ。公債依存度は45%。世界中を見渡しても、こんな国はどこにも無い。

 要するに、年収400万円の人が、年間800万円の生活(浪費)をし、それでさらに、借金が1億6千万円あって毎年どんどん増えている状態である。

 国債の外人保有率は4%弱。外人が持ちたがらない国債が日本の国債であり、政府部門と郵貯・簡保と民間金融機関がほとんどを所有する。ちょっとでも信用不安が起きて郵貯に駆け込んでもそこにはお金はもうない。

 そんな中、公共事業関連費が減ってきているが、税収の下がり方ほどではない。

 なによりも、IT関連投資の伸びがすごいが、その理由は、今見てきたとおりである。

失われた10年から15年になろうとしている中、この1990年代で実施された景気対策は100兆円を超える。景気対策と言う言葉は使わないが、公共事業関連費がIT関連投資にすりかわっている。

 デフレ経済、失業率の増加、収入の減少、自己破産件数が昨年22万人弱、4年で倍以上。いわゆる団塊の世代が65才を迎えるまであと10年を切った。10年後はどんな世の中か。国が考える電子政府構想からは、残ったお金を食い潰そうとしているだけで、明るい将来は見えてこない。

 

(4)民間のIT投資

 セブンイレブンのPOSシステムの設計開発を手がけたフュチャーシステムコンサルティングの金丸恭文社長は、「日本企業のITシステムの多くは不良資産化しているのではないか」と危惧している。さらに「企業にとってIT投資はすでに聖域ではなくなっている。今求められているのは、企業の経営に付加価値を与え、ライバルにせんじるための戦略的なIT投資のみだ」という。また「ユーザー側のみならず、コンピュータメーカーなどの供給側の責任も大きい。供給側がシステムに対する効果や顧客満足度には関心を持たず、ハードウェアの売上のみに傾倒してきた事の結果だ」とも述べている。(週刊ダイヤモンド11/23)

 

(5)電子政府の本質

毎日新聞の社説(2003年3月)より、「ユビキタス」と言う言葉により、「いつでもどこでもコンピュータ・インターネット」を通じて望む事が出来る社会が仕事でも日常生活でもレジャーでも想定されてきている。そんな必要があるのであろうか。技術の進歩は間違い無くユビキタスに向かうが、日常生活は人それぞれである。便利さを追求した社会は、かえってあわただしく余裕を失っている。むしろ不便さを再発見するほうが豊かさを取り戻す道ではないかという疑問を投げかけている。

 すべての人にインターネット、ユビキタスを合言葉にすることによって、すべての人に番号をICカードをパスワードをになり、それには厳密な本人確認が必要になり、日常生活でも仕事でも、個人情報や行政や医療(体の情報)や民間の様々なサービス(お金のやり取り)が暗号(鍵)やパスワードに厳格に守られなくてはいけない社会になろうとしている。

 ユビキタスIT社会、電子政府、インターネットを否定するつもりは、全く無い。しかし、それが旧来からの、ばら撒き型、前例踏襲型ではしょうがない。


 

3、総務省による自治体の主体性を無視した指示、押し付け

 

*資料9 「住民基本台帳カードの発行準備等に関する留意事項について」

2003年1月21日、総務省自治行政局市町村課長)

 

2000年1月21日に各都道府県の住基ネット担当課長、財政担当課長、情報政策担当課長あての総務省自治行政局市町村課長からの文書「住民基本台帳カードの発行準備等に関する留意事項について」を入手したので、見てみたい。

 

(1)この文書の留意とは

 

・各市区町村は、この文書事項に留意し準備、検討等を進める。

・都道府県は、市区町村に対する所要の支援を行なう。

・さらに、市区町村の住基ネット担当課長、財政担当課長及び情報政策担当課長にも周知。

との事のようだ。

 

(2)内容について

 

1       住民基本台帳カード発行経費の予算計上

 住民基本台帳カードの発行は、結局総務省の天下り先(財)地方自治情報センターに委託したり、そのシステムを利用したりするようである。何から何まで、官が独占し、自分たちの意のままに動かすようである。特に小さな市町村は、(財)地方自治情報センターに丸投げ状態になるのであろう。日弁連のアンケートでも、職員が一番不満を言っていたのは、小さな市町村の担当者であった。どんな小さな市町村でも、システムの準備をしなければならない。たった一人しか交付希望者がいなくても交付しなければならない仕組みは、無駄な負担でしかない。2003年度予算で計上しろと言っている。自治体の主体性は完全に無視されている。

 また、カード交付手数料の収入を超える部分(一般財源所要額)については、所要の地方交付税措置を講じる予定であるといっている、これは、どんな権限、法的根拠によるものであろうか。自治体は確認するべきである。税収が減っている中、交付税措置を増やすと言う事は、他の予算を削る事であり、ましてや国民の税金である。官僚にこんな権限があるのか。

 

2       住民基本台帳カード交付手数料条例等の制定

2)で、「住民基本台帳カードは市区町村が貸与するものであり、また、電子政府・電子自治体の基盤として市区町村行政の効率化にも資するものであるため、住民基本台帳カードの交付に要する経費のうちICカード購入原価を除く概ね1件当たり500円程度が適当であると考えられるものであること。」と断言している。そもそも、希望者にしか交付されないものが、電子政府の基盤であるとか、効率化に資するものとか、勝手に安く値段設定して(希望者ではなく、国民全員の税金の穴埋めによる)、それに基づいて条例を作れとは、何事か。自治体も市民も本当に馬鹿にされたものである。

 

3       住民基本台帳カード発行の外部委託

 カード発行の外部委託に関して、接続や磁気ディスクの送付他について様々な注文をしているが、これは要するにセキュリティ上の不備をさらけ出しているようなものであるが、またまた果たしてちゃんと答えられる自治体の担当者(特に町村)は、どのくらい、いるのであろうか。これだけ見ても、所沢市は他の自治体と接続をしてはいけないのではないか。

 さらに、「住民基本台帳カードに関する技術的基準」(仮称)もまだ出来ていない。またぎりぎりに通知されるのであろう。

 

4       住民基本台帳カードの多目的利用

 「住民基本台帳カードの有効利用についての検討を積極的に行う必要があること。」と断定的に言っている。そして、「住民基本台帳カード利用条例の考え方」について、この通りだわかったかと続く。

 また、「(財)地方自治情報センターがその独自事業として開発したICカード標準システムを導入する場合、当初3年分のシステム導入SI経費及び機器リース料等について、所要の特別交付税措置を講じることとする予定であること。」とくる。天下り先に、資金を出し、それで業務を独占し、自治体には特別交付税というあめ玉をちらつかせ、ほいほいと言っている。

 これを何とも思わないのか、自治体の考えを聞きたいところです。

 

住民基本台帳カード利用条例の考え方

 

総務省は自治体による住基カードの独自利用例として、「検診、健康診断又は健康相談の申し込み、結果の紹介等を行うサービス」「救急医療を受ける際に、あらかじめ登録した本人確認情報を医療機関等に提供するサービス」「図書館の利用、図書館の貸し出し等を行うサービス」「健康保険、老人保健等の資格確認を行うサービス」「病院の診察券等として利用するサービス」「公共交通機関の利用にかかるサービス」「公共料金等の決済にかかるサービス」など15例を挙げている。

これらのサービスをするとなると、いったいいくらの金が、市民の税金が使われるのであろうか。システム、ハード、更なるセキュリティの強化などなど。そしてどれだけの市民がこれを理解し、必要としているのであろうか。今度こそ市民の声を聞かないと、税金泥棒としか思えない。役人は。

行政サービスの向上という名目のもとにさまざまな分野で住基カードを利用可能にすることで、カード交付のインセンティブを高めようとの狙いであろうが、住基カード利用の範囲拡大だけが進めば、住基ネットにより個人情報が一元的に管理されるのではないかという懸念がより現実味を増してくることにもなる。

ICカードを使った上記のサービスの実験は、経済産業省による「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」で、全国21地域(54市町村)において実証実験を行っている。(但しまだ継続しているところは少なくと聞くし、規模が小さく目立った成果も少ないようだ。)

これらの成果の検証はしているのか。どうも、縦割り行政の弊害と省庁間の縄張り争いの強さで、これらは別問題のようである。(これがE−JAPAN計画の実態でもある)

そして、いきなり全国すべての自治体に、ICカードの押し付けと、予算化と、天下り先を使って多目的利用をしろ、条例をつくれと来る、官僚たちはいったい何様なのであろうか。

是非教えて欲しい。

 

地方自治情報センターの現職理事が住基ネットの「拡張性」を強調

 

11月12日付朝日新聞に、(財)地方自治情報センターの現職理事をしている百崎英氏(行政情報システム研究所理事長・元住基ネット懇談会座長)へのインタビューが掲載された。

百崎氏は1998年に「行政機関個人情報保護法」が国会審議されたときの政府側担当官です。

このインタビューによれば、住基ネットのメリットは「カードで提供されるサービス」にあり、「住民票がどこでも取れるとかは、どちらかと言えば端っこの話」。「小さな範囲で使ってもらい、安心感を植え付けてから段階的に進む」と政府は考えている、という。

なぜ政府がこういうことをはっきり言わないかといえば「政府があまりはっきり言えば国会でたたかれる。そういうのを一番恐れているのだろう。僕は全国を駆けめぐって、政府の本音を代弁している」ということのようだ。

国民総背番号制度ではないというのなら、なぜ11ケタの番号を全国民に割り振ったのだろうか。「住民票コードを納税者番号に使えば、相当大きなメリットがある。導入するとすれば、一番使いやすいのが住民票コードだ。これは国民にもメリットがある」というのが真相のようだ。

百崎氏はさらに「本当のことを隠そうとして、土壇場になって「これです」とやるような、役人体質を変えなきゃならないと僕も思う。国民が驚くくらいの情報を出して、国として議論していくべきだ」と。

 

→しかし、少なくとも住基ネットについては、1994年以来一貫して市民にも、自治体にも閉ざされていた。情報公開をいう百崎氏の発言の真意は不明であるが、住基カードを使って様々な情報を集約しようとしていることがはっきりわかった。


 

4、離脱した東京都国立市の個人情報保護条例と取組み

 

*資料10 「国立市と所沢市の個人情報保護条例の比較」(当方にて作成)

 

 2002年12月に住基ネットから離脱した国立市は、2003年4月1日から改正した個人情報保護条例を施行する。この背景として、国立市は、1975年全国に先駆けて「電算処理による個人情報の保護に関する条例」を制定し、1986年に「国立市情報公開及び個人情報保護に関する条例」を制定し、その後2回の改正を行い、2000年6月国立市の市議会は、制度の理念をはじめ実際の運用上の問題点や市民サービスの向上の視点から、国立市の条例も見直すべき時期にあり、特に@説明責任の明記、A意思形成過程の情報、B市民サービス向上に資する個人情報の取扱いを含めた個人情報保護条例のあり方、会議公開などの検討が急務であるとして、条例の早期改正を求める決議を可決している。

 審議は、2000年11月29日の審議会から開始され、市民の意見を聴く公聴会も計6回開催されている。また、市報による広報も、第一面によるものが、2002年だけで5回を超えると聞いている。この情報公開及び個人情報保護に関する条例の改正は常に住基ネットを意識しながら検討され、住基ネットが開始には間に合わなかったが、その後も慎重な審議を続け、結局、条例改正、住基ネット離脱を決心している。

 

 ここで完成した国立市の改正条例を、所沢市の個人情報保護条例に抜けている点を中心にみる。

 

第1条(目的)で「自己情報のコントロール権の保障」をしている。これは、実施機関における個人情報の取扱いの全般に及び、開示、訂正、削除及び利用の中止等の具体的な権利のみならず、公正な手続とその透明性の確保が保障されるものでなければならない。個人情報の「有用性や利便性」が重視されがちな高度情報化時代の流れの中においても、なお「個人情報の保護」が最重要課題であるという原点を再確認する必要がある。個人情報は、本来その個人に帰属するものであり、これを管理する権利は個人の尊厳に由来するからである。

第3条(実施機関の責務)で、実施機関に、個人情報の保護の重要性について市民及び事業者等への意識の啓発努力をかし、さらに「自己情報」の開示を求める者の権利が保障 されるよう努めなければならないとしている。

第5条(市民の責務)で 市民等に対しても、自己情報の適正な管理に自ら努めるとともに、個人情報の取扱いに当たっては、他者の権利利益を不当に侵害することのないよう努め、個人情報の保護に関する市の施策に協力を求めている。

第11条(個人情報ファイルの作成)で 実施機関は、電子計算組織を利用した個人情報ファイルを新たに作成しようとするときは、 あらかじめ審議会の意見を聴かなければならないとし、ファイルに関して、別途定めている。

第12条(電子計算組織の結合等の禁止)で、 結合された個人情報については、第一義的な保有者である実施機関にその保護措置等について責任があることから、必要な個人情報保護措置を講じるだけでなく、結合の相手方に対して利用状況及び個人情報保護措置について報告や必要な調査をすることができるとしている。

また、報告、調査の内容については記録し、それを審議会に報告するほか、一般の閲覧に供する。報告、調査により、個人情報の目的外利用や漏えい、その他個人情報保護措置が適正に実施されておらず、個人の権利利益が侵害されるおそれがある場合は、結合の一時停止を含む個人情報を保護するために必要な措置を講ずることとしている。

調査権と停止を明示している。

第33条(個人情報取扱業務の委託等)で、個人情報取扱事務の委託についての登録制度を設けている。個人情報取扱事務を委託することによって、個人情報を実施機関以外の職員が取り扱うことになることから、どのような個人情報取扱事務をどこに委託しているかなどの基本的な情報を把握し、公表することによって、委託事務における個人情報の保護を一層図る必要がある。 そこで、個人情報取扱事務の委託については登録制度を導入し、委託事務については登録をした上で審議会へ報告し、一般にも公表するものとした。

第35条(出資団体等の責務)で、 実施機関は、出資団体等に対しても、個人情報の取扱いに関して必要に応じて調査や報告を求めることができるものとしている。

第37条(苦情の処理等)で、 実施機関は、苦情の申出を受けたときは、当該申出の内容を調査し、適切かつ迅速に是正その他必要な措置を講じるとともに、当該苦情と同様の苦情が出されないよう運用に関して改善を図らねばならない。必要と認めるときは、審議会の意見を聴くことができると明確に規定している。

第40条(罰則)で、情報漏えい者に対し、1年以下の懲役又は3万円以下の罰金を科している。

審査会委員、審議会委員、実施機関職員、受託者等に対しても同様である。

 

国立市情報公開に関する条例

 

第14条(審査会の設置)第15条(審議会の設置)で、委員について、重要なのは、制度に対する理解や知識であることから、単に立場によるものではなく「識見を有する者」としている。

 審査会委員の員数や審査方法については、「5人以内」から「7人以内」と増員し、個別の案件の審査については、必要に応じて審査会が指名する3人以上で構成する部会を設置し、審査を行えることとしている。

 審議会の権限について、情報公開制度の適性かつ円滑な運営を推進するため、諮問事項以外についても実施機関に意見を述べることができることを、条例で明確に定めている。

 

 やはり、最大の特徴は、「自己情報のコントロール権の保障」、「コンピューター・マッチング(データ結合)に対する責任の明確化と結合相手に対する調査権、結合一時停止の明文化」「審議会の関わる要素の拡大」、「実施機関、市民の責務の明確化」「罰則」「事務処理の外部委託に対する取組み」「苦情処理時の審議会の意見」等である。

 

 もともと、ここまでのIT情報化社会の進展、電子データ化、それに伴う、個人情報保護の難しさの増大、漏洩の危険性の増大などは、想定されてなかったことは仕方が無い。ここでしっかり検討し直す事に意義がある。

 

 所沢市も、市長が「市民の個人情報保護を最優先にする」と議会で発言している以上、新しいIT社会に適合した条例に進歩させることは、当然必要であると考えられるし、そうでないと、この発言はまやかしにしか映らない。

 

 また、国立市の条例では、審査会委員数を、「5人以内」から「7人以内」と増員し、さらに個別の案件の審査については、必要に応じて審査会が指名する3人以上で構成する部会を設置出来るとしている。今回の私たちの異議申立てに対する審査は、意見陳述後も「5人」ではなく、「3人」で行われているようである。けっしてこちらが望んだわけでもなく、法律や審査会条例に定められているとも思えないが、「3人」の委員の方には、大変なご負担をかけているのは間違い無く、複雑な気持ちはつのる。(さらに何回も意見書を追加しています)

 


 

5、アンフェアな「行政機関の個人情報保護法案」

 

*資料11 「行政機関個人情報保護法案・修正提案対照表」情報公開クリアリングハウス

 

(1)政府案の「行政機関の個人情報保護法案」を見る。

 

第三条(個人情報の保有の制限等)行政機関は、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。

3 行政機関は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

 

→保有は、利用目的をできる限り特定すればよく、相当の関連性を有すると合理的に認められれば利用目的を変更できてしまう。

その判断は、行政機関=役人・官僚である。彼らの判断で好きなようになってしまうのである。

第八条(利用及び提供の制限) 次の場合、利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供できる。

 三 必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当な理由のあるとき。

 

→目的外の利用は、相当な理由のあれば出来てしまう。

その判断は、行政機関=役人・官僚である。彼らの判断で好きなようになってしまうのである。

第五十三条(罰則) 行政機関の職員若しくは職員であった者又は第六条第二項の受託業務に従事している者若しくは従事していた者が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録された第二条第四項第一号に係る個人情報ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第五十四条 前条に規定する者が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第五十五条 行政機関の職員がその職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。第五十六条 前三条の規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。

 

→「秘密」に限定しているため、防衛庁リスト問題で「秘密ではない」と認定された「病歴」や「所属団体」は含まれない。

→「個人情報ファイル」からコピーした紙は含まれない

→「業務に関して知り得た保有個人情報」は個人的な場合は対象外

→名簿屋に売るとか「利益を図る目的」に限定されている

→「秘密に属する事項が記録された文書」とされ、口頭での漏洩は含まれない

 

 これは、個人情報保護ではなく、役人による個人情報複合利用法である。行政機関の都合のいい様に運用される仕組みになっている。住基ネットから離脱した自治体は、「確固たる個人情報保護法」を求めている。

 同じ考え方を持てば、離脱していない自治体も本来なら参加できないはずである。

 住民基本台帳法 附則 第一条 2 「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」

法律が出来た、出来ないと問題視された条文であるが、実際には、中身の問題であり、これを論ずることなく、住基ネットへの参加は出来ないのである。


(2)情報公開クリアリングハウスが作成した「行政機関個人情報保護法案修正提案」では、

 

法の目的(第1条)…自己の個人情報を管理する権利を保障」している。だから、個人情報保護法というのです。政府案にない。所沢にはない。

運用監視の第三者機関の設置(第49条)…運用監視機関となる審議会があることが官と民を対等な関係にするのです。政府案にない。所沢にはある。

コンピューター・マッチング規制の導入 (第14条)…ネットワーク結合を比較、検索まで含めて原則禁止に。官僚の裁量で名寄せは絶対に許してはダメである。これを曲げる場合は、審議会の意見が必要。政府案にない。所沢にはある。

センシティブな個人情報の収集の原則禁止(第3条)…宗教、人権や差別の温床になるものにまず制限を加えるのが、個人情報を扱う基本です。これを曲げる場合は、審議会の意見が必要。政府案にない。所沢にはある。

個人情報の公正・適正な収集の原則の確立(第4条)…個人情報の収集の大原則は、適法かつ公正な手段により、原則として本人から直接収集すること。政府案にない。所沢にはある。

個人情報の利用・提供制限 (第10条)…目的外利用を厳しく制限する事こそこの法律の本旨であり、市民の信頼の源泉となる。これを曲げる場合は、審議会の意見が必要。政府案の「相当な理由」「特定の理由」を判断するのが、審議会である。官僚では決して無いのである。

個人情報ファイルの保有の事前通知の例外撤廃 (第12条)…政府案は例外だらけ。例えば、試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル、一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル、本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイル。例外だらけの法律は無い方がまし。

個人情報ファイル簿の作成・公表の例外撤廃 (第13条)…同じ、政府案は例外だらけ。

裁判管轄 (第48条)…市民の個人情報に関する訴えには、原告となる市民の所在地を管轄する裁判所を選べるのは当然です

罰則 (第57条)…もっぱら自己の利益または第三者に便宜を図る目的で偽りその他不正な方法で個人情報を収集したとき比較、検索及び結合をしたとき個人情報を盗用し、又は不正な目的により提供もしくは利用したときは正当な理由なしに個人情報に関する秘密を漏洩したとき、これらの表現は、政府案にはない。所沢にはない。

 

(3)アンフェアな「行政機関の個人情報保護法案」(政府案)

 比較してみて良くわかるのは、「行政機関の個人情報保護法案」(政府案)が自治体が作っている条例よりもはるかに劣り、とても個人情報保護法とはいえない点である。行政機関=官僚の裁量次第で個人情報をどうにでも扱える状況を作り出している。まさに、個人情報複合利用法である。国立市の条例とも比較して、所沢市の条例にも、もっと改良するべきところはあるが、政府案はあまりにも、ひどすぎる。この解釈はおかしいでしょうか。

 「行政機関の個人情報保護法案」(政府案)が仮に成立したら、個人情報保護条例をもつ、すべての自治体は住基ネットから離脱しなければならなくなるのが、筋だと考えますがいかがなものか。

 自治体は、常に市民と接している現場だからこそ生まれた個人情報保護条例を大切に守らなければならない義務がある。「行政機関の個人情報保護法案」(政府案)に断固反対する姿勢も必要である。

 それでも、所沢市は、国、総務省、官僚の言いなりなのか。


 

6、「住基ネットを考える所沢市民の会」市民講演会アンケート結果より

 

*資料12 「電子政府に住基ネットは必要か!」市民の会 連続講座3月15日資料

 

住基ネットを考える所沢市民の会では、昨年7月から今年3月1日までの間に、当会主催及び講師の派遣等を通じて、「住基ネットの問題点」についての講演を7回行いました。その内下記の通り、6回において市民アンケートを行いました。市民アンケートの結果についてご報告します。

(1)住基ネットの賛成か、反対か(回答者120名中)

反対(強く反対、どちらかと言えば反対) は102名で 85%

(2)今年8月に発行される住民基本台帳カード(ICカード)は必要か(回答者86名中)

必要ない(特に必要ない、全く必要ない) は70名で 81%

 

 住基ネットアンケート集計表(@AEは市民の会主催)

 

 

 

 

@

A

B

C

D

E

 

 

場所

新所沢

公民館

新所沢

公民館

小平市

福祉会館

新所沢コミセン

森生事務所

新所沢

公民館

 

 

講演テーマ

住基ネット

の問題点

住基ネット

ここが問題

住基ネット

の問題点

住基ネット

の問題点

住基ネット

の問題点

電子政府と

住基ネット

 

 

講師

白石孝

佐藤文明

大和田

大和田

大和田

西邑亨

 

 

参加者数

40

31

20

40

30

26

187

 

アンケート回収率

58%

84%

70%

63%

43%

73%

64%

 

賛成か反対か

7月27日

12月8日

12月14日