平成14年8月9日
所沢市長 斎藤 博 様
住基ネットを考える所沢市民の会
住民基本台帳ネットワークシステムについての再質問
先般、平成14年7月24日、私たち、「住基ネットを考える所沢市民の会」の住民基本台帳ネットワークシステム(以下、住基ネット)についての質問にご回答を頂き有難うございました。つきましては再度、下記の通り質問をさせていただきます。
記
1)住基ネットについて住民への説明
広報活動の、掲載時期の遅れについて、住基ネットの不確定の部分が多かったこと等を理由に挙げておりますが、それは、行政内部における実務運用上の部分であります。3年前に住基法が改正され、11桁の番号が付く、ICカードを発行する、全国規模の一極集中ネットワークを組む、本人確認情報の提供を行なう点など、住基ネットの根幹部分(一番重要かつ事前に市民に周知する必要がある部分)は、当初から決まっております。住民基本台帳データという自治体の住民自治における最も重要といえる問題を、事前に市民に説明がなされず、さらに、8月5日の住基ネット開始日に広報をするというのは、市長の住基ネットに対する問題意識の低さと、市民の声を無視した極めて問題のある方法としか思えません。
私たち市民の会では、7月に2回、住基ネットの講演会を行い合計100名弱の市民の方に、住基ネットの概要(メリット・デメリットを含め)を説明しました。ほとんどの市民の方が、疑問と不安を持ち、住基ネット稼動の延期や不参加を要望しておりました。
質問1・・・杉並区が、1年半前に行なったように、市民に、広報などを通じて住基ネットに対するアンケートを行なっていただくわけにはいきませんでしょうか。それによって、市民の声を聞いていただけませんでしょうか。
2)オンライン結合によるデータ提供について
3)プライバシー侵害の対策について
所沢市では、情報公開・個人情報保護審議会を第1回5月28日、第2回6月26日に行なったとあります。
質問2・・・第一回、第二回とも、市からの説明のあと、質疑応答があったとありますが、その内容、出席委員名も含めた、議事録を提出してください。条例によるこの審議会が所沢市の住基ネット加入に対する非常に大きな位置づけがなされたわけですから、当然開示する必要があると思います。
審議会の委員からは、「個人情報保護対策について市民の関心は高い、住基ネットの概要の説明や個人情報保護対策等を市民に伝えていくことが重要」との意見があったとあります。その後、情報公開・個人情報保護審議会より、オンライン結合にかかわる諮問に対する答申を7月17日にされたとあります。
質問3・・・市民の関心が高いとありますが、この委員は市民の声を充分聞いた上での判断なのでしょうか。審議会条例第3条には、意見を聞くこととされた事項を調査審議するとあります(これが審議会の存在意義です)。そもそも、住基ネットに対する広報は市民に全くされていないわけで、市民の声が聞けるのか非常に疑問でありますがいかがでしょうか。
質問4・・・さらに、審議会が第1回5月28日、第2回6月26日に開かれたと聞いた時、平成13年かと思いましたら平成14年と聞き、私たちは耳を疑いました。住基ネットの始まる2ヶ月前です。住基ネットが決まったのは3年前、所沢市の個人情報保護条例が出来たのが平成13年3月です。条例が出来た段階で、真っ先に市民に住基ネットのデータ結合及び外部提供を周知する必要があるとともに、審議会で充分議論するのが当たり前ではないでしょうか。
よって、私たちは、先に上げた市民アンケートの結果をもとに、審議会のやり直しを要望しますがいかがでしょうか。
本人確認情報の保護は、総務大臣告示の技術基準においても、住基ネットは不正が行われる危険性があるときは、住基ネット全体あるいは一部を停止することをあらかじめ定めた行動計画を定めることが規定されているとあります。
質問5・・・この判断は誰がするのでしょうか。市長が出来るのですか。またどこに定めてあるのでしょうか。もし、市長が判断する場合、審議会に意見を聞くことになるのでしょうか。
また、現状難しいのであれば、杉並区の条例のように、積極的に市長が市民のプライバシーを守れるよう、所沢市においても、市長の判断で住基ネットの接続を停止できるよう条例の改正をするべきではないでしょうか。
ここで、所沢市の個人情報保護条例第7条 (利用及び提供の制限)、第8条(オンライン結合による提供)の内容について、お聞きします。
質問6・・・住基ネットによる、都道府県や国の行政機関に対する個人情報の提供は個人情報保護条例第7条 (利用及び提供の制限)における外部提供に当たると考えますが、そこで第2項の外部提供における条件として
(1)本人の同意を得ているとき。(2)法令等に定めがあるとき。
(3)個人の生命、身体又は財産に対する危険を避けるため、緊急かつやむを得ないとき。
(4)前3号に定めるもののほか、実施機関が審議会の意見を聴いて必要があると認めたとき。
とありますが、住基ネットはどれに当たるのでしょうか。また、(1)の本人が同意しない時はどうなるのでしょうか。その場合の優先順位はありますか。また、これを判断するのは誰なのでしょうか。
さらに第3項で 実施機関は、前項の規定により目的外利用等をしたときは、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1)目的外利用等をした個人情報取扱事務の名称(2)目的外利用等をした理由
(3)目的外利用等をした個人情報の記録の内容(4)前3号に定めるもののほか、規則で定める事項
とありますが、この場合の実施機関とはどこを指すのでしょう。仮に、国や都道府県の行政機関に住基ネットを通じて本人確認情報を提供した場合、その機関名、日時、内容、理由等を市長が把握できるということでしょうか。そして、それは当然、市民に開示することができると判断してよろしいのでしょうか。
質問7・・・住基ネットは第8条(オンライン結合による提供)に該当しますが、1項の実施機関とは、誰を指すのでしょうか。その者が公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害するおそれがないと判断したと考えてよろしいのでしょうか。
また、第2項で、実施機関は、オンライン結合による個人情報の提供を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならないとありますが、これは法令は関係なく審議会の意見が絶対であると考えてよろしいのでしょうか。
質問8・・・第23条(自己に関する個人情報の訂正等の請求ができる者)3項より、何人も、実施機関が保有する自己に関する個人情報が第7条第1項又は第2項の規定によらないで目的外利用等をされていると認めるときは、当該実施機関に対し、当該目的外利用等の中止を請求することができる、とありますが、質問6とも重複しますが、本人の同意がない場合に目的外利用等の中止を請求できると考えてよろしいでしょうか。また、これは誰に対して行い、誰が判断するのでしょうか。
4)対象事務数の大幅拡大に関して
住民基本台帳ネットワークシステムの対象拡大については、今後、国会において慎重に審議されるものと考えておりますとあります。
質問9・・・この点は、私たちの講演会の時も市民が大変不安に考えている部分でありました。ここでお願いしたいのは、全て国の言いなり、受身ではなく、市民の不安や考えを真正面からとらえ、積極的に国に対して意見具申する姿勢が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。
5)個人情報保護法について
個人情報保護法や行政機関の保有する個人情報保護法に対し、住民基本台帳法は特別法にあたります。
質問10・・・住基法は特別法ですが、その附則で「個人情報の保護に万全を期するため、速やかに所要の措置を講ずる」とある以上、単純に考えても、行政機関の保有する個人情報保護法の成立が必要であると考えます。また、それを根拠に住基ネットに参加しない自治体がある以上、同様に個人情報保護法の成立を待つのが筋と考えますがいかがでしょうか。
埼玉県連合戸籍事務協議会を通して住民基本台帳ネットワークシステムにおけるセキュリティ確保に関する提案を行ったとあります。
質問11・・・埼玉県連合戸籍事務協議会とは、どのような団体でしょうか。戸籍のシステムと住基ネットは関係があるのでしょうか。また、その時の提案の議事録を提出してください。そして、重ね重ね、なんで市民に対しては提案しないのでしょうか。
全国市長会により個人情報の保護に係る責任体制の明確化や、プライバシー保護措置に万全をきすよう強く要望するとともに、個人情報保護に関する法制の早期整備を政府に要望しているとあります。
質問12・・・重複しますが、要望する以上、個人情報保護に関する法制が出来ない場合、住基ネット参加を延期するのが筋ではないでしょうか。
6)住基ネット構築・運用のための経費について
7月の講演会において、住基ネットにかかる費用が平成13年度だけで7000万円近くかかり、年間コストも2000万円近くかかると発表したところ、それは全て税金であり、財政再建に明らかにマイナスであり、そのような多額の出費を、なぜ国から強要されなければならないのか非難の声が強くあがりました。
質問13・・・この費用は、純粋に市民からの税金からのものなのか、国からの補助によるものなのか、初期費用と運用コストにわけて教えて下さい。
また、市の予算から見ても、多大なコストの掛かる出費(特に運用管理費としても継続的に発生するもの)は、真っ先に市民に是非を問い、場合によっては無理な要求と拒否する姿勢こそ、市民の利益を考えた住民自治であると考えますがいかがでしょうか。
さらに、経費の内訳について質問します。
質問14・・・平成13年度システム開発費 67,830千円(決算額)の内訳(機械、ソフト代、システム設計費、人件費など)、同じように、平成14年度システム開発費 16,000千円(予算額)の内訳を教えて下さい。
さらに、システム稼働後の年間コスト 約18,000千円(見込み)の内訳(機械リース代、人件費、保守点検など)についても教えて下さい。
また、上記費用には職員の増員分や外部委託分も入っているのでしょうか。
さらに、住基ネットにつながるコンピュータについてお伺いします。
質問15・・・現在住基ネットにつながるコンピュータは何台あるのでしょうか。各出張所ごとにあるのでしょうか、既存の住基システムとはまったく別なのでしょうか。
そのコンピュータを操作できる部署と職員数を、住基ネットと既存住基システムに分けて教えて下さい。
さらに、その職員の権限についてですが、窓口で依頼を受けるもの、コンピュータを操作するもの、移動情報などを入力するもの、それを検証、承認するもの、送信するもの、ログを監査するものなど、分かれているのでしょうか。これは、システム管理上非常に重要であると考えますが、職員のセキュリティ対策といっしょに教えて下さい。
コンピュータの画面のイメージを教えて欲しいのですが、名前や生年月日、住所などを入力すると、全国民の該当者の一覧がずらりと並ぶのでしょうか。その時、移動情報も画面で見れるのでしょうか。画面印刷、ディスクへの保存などもできるのですか。
自治体において国民の検索をするケースはどのような事務の場合でしょうか。
また、検索を行なった場合のログが保存され市民が開示を請求することができるのでしょうか。それは、都道府県や国の行政機関、全国センターも同じですか。
平成15年8月より住民基本台帳カードの交付が開始された場合、カード発行機や読取機などあらたな機械が必要になるのか、それは何台くらい必要なのでしょうか。また、平成14年度の予算の中に、或いは、年間コストの中に入っているのでしょうか。
7)費用対効果について
一次稼働によるメリットのなかで国等の事務について、申請・届出を行う際、住民票の添付等が不要となりますが、
質問16・・・自治体側で大幅に事務処理が減る部署、事務内容は何があるのでしょうか。
二次稼働によるメリットで住基カードの交付がありますが、
質問17・・・住基カードを利用する市民と、そうでない市民とわかれ、事務処理が煩雑になるのではないでしょうか。
住基カードが身分証機能を持つ場合があるようですが、この場合の身分とは何で、それを証明するのが誰で、法的根拠は何でしょうか
メリットの一つに、転出・転入の特例がありますが、これは、住基カードの交付を受けていないと得られないメリットでしょうか。同じように、住基カードの交付を受けていない場合でも、住民票の広域交付は受けられるのでしょうか。
電子政府・電子自治体の基盤として、電子申請になくてはならない本人確認の基盤となるシステムとしての利用が予定されているとありますが、
質問18・・・インターネットの画面で、住基コードとパスワードを入れて、申請や届出が、自宅ですべて完了してしまうということでしょうか。
市区町村間の転入通知が、郵便から通信回線による送信に変更されるため、迅速・正確に処理できるようになるとありますが、
質問19・・・これは、住基ネットがないと出来ないことでしょうか。全国センターの本人確認情報と関係はあるのでしょうか。
年金等の給付においては、現況届の省略が、年金事務の合理化につながるとありますが
質問20・・・その本人確認が住基ネットを通じて行なわれたかを本人が開示請求できるのでしょうか。
8)住民票写しの請求実績と書式
住民票交付件数の実績数字より、住民票請求件数24、5万件の内、約7%前後の1万6千件前後が無料請求(公用の請求及び法で規定されたもの)であることがわかりました。先日の講演会に出席した方々から、ずいぶん多いという印象が目立ちました。
質問21・・・無料請求(公用の請求及び法で規定されたもの)分の主な官公署名と請求理由、件数を教えて下さい。これは住基ネットが始まった場合、なくなるのでしょうか。統計が無い場合もお調べいただけないでしょうか。
住基ネットによって住民票請求件数が大幅に減りコストが削減されるメリットを実証する上でも、上記の統計、及び、通常請求の場合も、第三者請求、他市町村からの請求など、詳細に分類し、公開する必要があると思いますがいかがでしょうか。
9)住民票コードの通知方法について
質問22・・・近々、住民票コード通知が、世帯単位で届くと思いますが、すでに届いた市町村の中で、新聞によると、受取拒否や返送、直接自治体へ持参による返還などがされているとありますが、所沢市での対応方法について教えて下さい。
そして、住基コードを拒否する自由は市民にあるのでしょうか。法的根拠も含めて教えて下さい。
また、居住が確認できず配達できなかった場合の対応についても教えて下さい。
さらに、上記のケースの数字の公表は考えていますか。
◎以上文書でお答え下さい。
◎私たちは、7月に2度住基ネット市民講演会実施し、8月5日以降、市民からの問合せも増えてきております。講演会や勉強会の参加や各方面への、取材や情報収集もしておりますが、とにかく住基ネットはわかりにくく、説明が難しく悩んでおります。たくさんの質問をして申し訳ございません。お忙しいところ恐縮ですが、8月20日までにご回答をいただきたくお願いいたします。
連絡先 住基ネットを考える所沢市民の会 代表 大和田 諭史