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2002年7月15日

所沢市長             

斎 藤  博 様

住基ネットを考える所沢市民の会

                         

住民基本台帳ネットワークシステムについての質問

 私たちは、今年8月5日からスタートするという住民基本台帳ネットワークシステム(以下住基ネット)について、行政側、市民側にメリットを感じるとともに、数々の疑問と不安を持つ市民です。「市の広報」6月5日号にようやく住基ネットについて簡単なお知らせが載り、そして、住基ネットが始まる同じ日8月5日に特集を組まれると聞いております。私たち市民の会では、所沢市だけでなく全国の国民のほとんどが住基ネットについて知らないという認識を持っております。新聞紙上、日弁連の報告、一部の地方議会、首長、そして国会において住基ネット施行の延期を求める声が上がり、自治体の現場では混乱をきたしているのではないでしょうか。

 私たち市民の会では、講演会、勉強会などを通じて、住基ネットについて理解を深めようと(必ずしも絶対反対という立場ではなく)、活動しておりますが、わかりにくい点が多く、疑問も不安も解消しません。以下の質問について懇切にお答え下さい。

1)住基ネットについて住民への説明

 自治体によっては、早くから、広報や住民説明会を行ない、このシステムについての疑問点も率直に市民に投げかけています。所沢市ではなぜ直前まで市民に知らせないのですか。

 このシステムについての疑問点、不安点を含めて充分な説明を、今後どのような形でいつされるのですか。

また、疑問点、不安点を住民に知らせる必要はないとお考えですか。

2)オンライン結合によるデータ提供について

 所沢市の個人情報保護条例第 8条に、「公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害するおそれがないと認められるときでなければ、オンライン結合による個人情報の提供を行ってはならない。」とありますが、住基ネットはこのオンライン結合にあたるのか、その場合、個人の権利利益を侵害するおそれがないと判断しているのか、私たちが安心できるように説明してください。

また、第2項に、「オンライン結合による個人情報の提供を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。」とありますが、審議会が開かれた日時、出席者、議事内容を教えてください。

3)プライバシー侵害の対策について

 杉並区では、情報漏洩や情報の悪用を防ぐために、区長が国などへ住民情報の提供を拒否できる権限を盛り込んだ「住基プライバシー条例」を制定しました。

 市民の権利を守る立場にある市として、このような条例の必要性はなかったのか。また、現状の条例で充分なのか、その他、どのような対策を考えていますか。

 

4)対象事務数の大幅拡大に関して

 改正住民基本台帳法では、このシステムを利用できる諸届け等の事務は、10省庁の93事務以外に使ってはいけないことになっていますが、政府は施行もしないうちからこれを大幅に拡大する法案を国会に提出することを目差しています。これには、国民年金や健康保険、旅券の発給などの日常的な生活に関わる事務もかなり追加され、文字通り国民総背番号制に結びつく可能性が考えられます。さらに職業安定事業、労働者派遣事業など民間の活動と密接に結びつくものも数々含まれ、民間団体にも私たちの個人情報が使われることになり、情報漏洩の不安は増大します。

 もともと、改正住民基本台帳法の国会審議の中では、「利用目的を厳格に審査し、システム利用の安易な拡大をはからない」という付帯決議がつけられています。市としてこれに厳重に抗議するのは当然と考えますが、いかがですか。

5)個人情報保護法について

 このシステムは、もともと個人情報の漏洩や悪用が心配され、施行の前提として「個人情報保護法」の制定が求められたものです。ところが提出された法案は市民には自分の情報コントロール権を認めず、市民の個人情報を行政が恣意的に使うことを許し、個人情報を保護するものとはなっていません。また国会での審議も進んでいません。真に市民の個人情報を保護する法律ができないうちに住基ネットを稼働させてはならないと考えますが、いかがですか。

6)住基ネット構築・運用のための経費について

 日弁連が昨年末に行ったアンケート調査よれば、財政難の折からこのための莫大な経費は耐えがたいという自治体が多く見られます。

 所沢市での住基ネットに関わる平成13年度、平成14年度の予算、及びシステムが完全に稼動した場合の年間の予想運用管理コストを教えてください。

 さらに、このシステムの稼動によって、担当職員の増員、システム管理者の増員など人件費の面の影響はいかがでしょうか。

7)費用対効果について

 住基ネットによる私たち住民のメリットは充分にあるとお考えになりますか。具体的にはどうなりますか。

 事務の効率化等、自治体としてのメリットはいかがですか。具体的にお答え下さい。

 メリットか゛あるとして、それらは経費と見合うとお考えですか。

8)住民票写しの請求実績と書式

 平成11年度、12年度、13年度の住民票請求件数を、できれば、本人請求(代理人含む)、第三者、公用にわけて教えてください。

 また、住基ネット開始後は、住民票の写しに、住基コードはのるのでしょうか、世帯全員の請求の場合は、全員のコードが掲載されるのでしょうか。

 さらに、他市町村からの請求の場合、住民票の交付は全て自動で処理されるのですか。

9)8月5日以降の住民票コードの通知方法について

 住民票コードの通知は、世帯単位に、普通郵便で郵送すると伺っております。個人のプライバシーに配慮して(最近、ドメスティックバイオレンス、ストーカー、離婚の増加など家族、夫婦間でもプライバシーの問題は重要になって来ております)、世帯ではなく、個人ごとに通知する自治体もあるようです。その点について、所沢市の見解を教えてください。

 

◎以上文書でお答え下さい。

私たちは、7月27日に住基ネットに関する市民講演会を企画しております。また、8月5日の住基ネット稼動期日も迫っております。お忙しいところ恐縮ですが、7月24日までにご回答をいただきたくお願いいたします。

 

連絡先 住基ネットを考える所沢市民の会  代表 大和田 諭史