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「 住基ネットの問題点 」

住基ネットを考える所沢市民の会 代表 大和田 諭史

* 離脱した自治体は何と言った

<離脱した自治体>杉並区、矢祭町、国分寺市、中野区、国立市  <選択制>横浜市

行政の効率化と市民サービスの向上を図るIT化は必要であるが、

市区町村長は個人情報の適正な管理、個人情報を守る責任を果たす義務がある。

  • 住基ネットへの不参加は適法な行為だ。確固とした個人情報保護のための法制度が必要。

  • 便利さを求めて安易に統一番号を導入するのは危険だ。

  • 自治体が本人確認情報の提供先である国の機関等の安全性を確かめられない。

  • 住基ネット全体の安全性に不安、プライバシーが侵害される恐れが払拭できない。

  • 情報漏えいが起きたときの損害賠償など責任の所在が明確でない。

  • 市民のメリットが明確でない。費用対効果がない。

* 住基ネットを整理すると…反対派の論点

3大特徴

メリット

デメリット(反対派の論点)

<コード化>

住民票コード

住基ICカード(希望者)

住民票の広域交付

転出転入の簡素化

住基カードにより、身分証機能や様々な行政サービスが可能

本人確認が迅速確実に

国民総背番号制へ

名寄せによる情報集約

国による監視社会

<ネットワーク>

中央集権型の

全国ネットワーク

行政窓口業務の簡素化、効率化

電子自治体

地方分権ではなく、情報の中央集権

責任の所在がはっきりしない

情報漏えい(内部・ハッカー)

情報管理、セキュリティの不備

財政負担、コスト増(IT公共事業)

<情報提供>

様々な行政機関に

本人確認情報提供

行政機関への住民票添付届出が減る

国の行政機関等の事務の簡素化、効率化

国民的合意が得られていない

自治体職員も不安

情報提供先の拡大

情報利用目的の拡大

自分の情報を自分で把握できない

個人情報保護法制の未整備

* 住民基本台帳法て何?住民票は年にどのくらい取りますか?

<住基法>

住民の居住関係の公証(1条)、市町村長は住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置(3条)、なんびとでも住民票の写しの閲覧が可能(11条)、市町村長は漏えい滅失及びき損の防止(36条)市町村長は本人確認情報を都道府県知事に通知(30条5)

住基ネット法はなく、住基ネットは、1999年8月に住基法の一部改正で追加された。

<所沢市住民票交付件数>  住民票1通当たりのコストは・・・

2001年度 (合計)247,100件 (無料・公用) 16,930件(税務署、警察など)

住民票請求の3割以上が、金融機関などの第三者請求です。(この意味は?…)

* 市民にとっての住基ネット

<制度の周知度の低さ>(住基ネットをいつ知りましたか?)

所沢市では、2002年8月5日の住基ネット開始日に広報特集をする遅さ。

杉並区は2001年2月に広報し、同時に住民アンケートを実施。

2次稼働(住基カード)を所沢市がどのように広報するか是非注目してください。

<メリットが感じられない>

住民票の広域交付、添付申請が減る、転出入が楽?そんなにメリットか。

税金、社会保険料、負担が増すばかり、行政がますます肥大化しているのでは。

<市民は何を一番求めているのか>

  個人情報保護法の整備、行政機関の情報管理意識の向上、万全のセキュリティ対策等

抜本的な行財政改革

* 住基ネットを行政はどうやって使うの? いくらかかるの?

 <操作する職員数は(所沢市)>

住基ネットにつながる端末 23台(各出張所含む)

端末を操作する職員 市民課(53名兼務者を含む)、出張所(51名)、情報統計課(2名)

3300の自治体、出張所、都道府県、国の行政機関、全国センター、委託先システム会社

全国で、住基端末は何台あり、操作する職員は何人いるのか?  数万、数十万・・・

 <過剰な検索機能>

「情報検索」は、かな、氏名、生年月日、性別、住所を検索条件として、一億二千万人の国民の中から条件に近い人を抽出(50件まで表示)。

過剰な検索機能は、国民本人の知らないうちに情報を取得する、国民監視機能となる。

 <所沢市住基ネット関連コスト>

システム開発費 2001年度 67,830千円 2002年度 16,000千円(予算額)

システム稼働後の年間運用コスト 約18,000千円

* プライバシーって何?

 <プライバシーて何?> 明確な日本語訳はありません

「私生活をみだりに公開されない権利」また「自己に関する情報をコントロールする権利」

住基法11条「なんびとでも住民票の写しの閲覧が可能」より、

氏名、住所、性別、生年月日は、プライバシーではないという人もいます。

小泉首相「私は全部個人情報をさらけ出している…。」  皆さんはどう思われますか?

 <住基ネットは共通番号制?>

11桁のコードは識別番号、事務の効率化のための整理番号ではない。

番号による名寄せがコンピュータのもっとも得意科目。

 <行政がICカードを持ったら>

ICカードはこれからの先端産業、でも…

住基ICカードはレンタルカードで有効期限がある、将来強制保有につながるか。

* 個人情報保護と住基ネットについて

 <所沢市個人情報保護条例>ない市町村も多い

市の実施機関が保有する個人情報の適正な取扱い、個人の権利利益の保護、公正で信頼される市政の推進を目的(1条)。条例に基づき個人情報の取扱事務、利用目的などを届ける。

住基ネットは、外部提供(7条)、オンライン結合(8条)に当たり、本人の同意か、法令等に定めがあるときに認めている。

 <国の個人情報保護法>まだ無い

住基法附則第1条2の「所要の措置」の解釈。国は、「個人情報保護法案を提出したことにより責務を果たした」「個人情報保護法は2003年8月の本格稼動までに整備すればよい」。

* 情報漏えいは行政内部から

 <京都府宇治市>

システム委託会社社員による約22万人分住民基本台帳データ流出(光磁気ディスクに複写して持出し名簿業者に売却)。市民3人が訴え、裁判所は1 人につき1 万5000 円の慰謝料支払いを命じた。22万人だったら30億円

 <三重県四日市市>

住民情報を呼び出すために特定の職員が使うIDカードを共用したり、無断で使うなど、管理が極めてずさん。市民の離婚歴や資産情報を職員が興味本位で見ていた

 <熊本市>    警察の住民基本台帳原簿の閲覧を、対象を特定せず受け付けていた。

 <防衛庁リスト事件>   情報公開請求者リスト作成問題。

情報管理に対する公務員のモラルの低さ。住基ネットは全国ネットだけに危険が増す。

所沢市でも、住民基本台帳のアクセスログが開示請求できる。

* 自治体職員も反対している人が多いって本当?

 <日弁連のアンケート>2002年6月頃

自治体の住基ネット費用の費用対効果について 

合理的でない 37%  どちらともいえないを合わせると 89%

住基ネットの施行延期について 

延期     15%  どちらともいえないを合わせると 81%

 <長野県のアンケート>2003年 田中知事「効率が上がらないまま負担ばかりが増している」

「行政事務が効率化される」と答えたのは、県全体の6%

  「何が住民データの安全性を脅かすと考えるか」に対し、「国に提供すること」52%

  「住民基本台帳カードの活用」40%、他に、個人情報の悪用など。

「自治体の負担が大きい割にメリットが少ない」91%、「住民のメリットがない」58%

* 諸外国の番号制

 <アメリカ>・・・1935年社会保障番号、戸籍、住民票はなし、社会福祉だけでスタート。

1976年 納税にその後、資格、婚姻、運転免許証、ローン、クレジット、図書館など、民間に拡大、「番号なしに」「信用なし」、成りすまし問題多発。

 <スウェーデン>・・・1968年個人識別番号、出生時10桁、納税、国籍、家族、所得、不動産、

民間利用。データ検査院長官・・・「人は個人ではなく、番号になった。プライバシーの脅威のシンボル、日本には絶対勧められません」と発言。

 <韓国>・・・1968年住民登録法による番号制、北への脅威から、軍事政権下で。

10本の指の指紋押捺、カードには右手親指、13桁、民間利用、最近はインターネットでのサイトでも要求される、ICカード化は廃案に。

* 公共事業化されたIT業界にとっての住基ネット

<ITゼネコンの登場>

E−JAPAN、電子政府と、ITが道路やトンネル、橋に変わる公共事業と変化。

年間運用コストなどを考えると、IT業界に永続的に税金が使われることになる。

大手情報企業10社で全体のシェア8割超。しかし、道路と違って地元への恩恵は少ない。

<情報システムに係る政府調達(中央・地方)>

1999年 約1.8兆円 2000年 約1.9兆円 2001年 約2.2兆円

情報システムの主なもの(文書管理、電子申請、電子調達、ネットワーク設定など)

2002年以降は、E−JAPAN計画とともにさらに大幅に増額されていると考えられる。

<政府一般会計歳出にしめる公共事業関係費>

1999年 約9.4兆円 2000年 約9.4兆円 2001年 約9.4兆円 2002年 約8.4兆円 

   2003年政府案 約8.1兆円(一般会計歳出の総額は82兆円)

* 責任の所在のはっきりしない制度は失敗する

 <住基ネットの役割>

  市町村⇒本人確認情報の県へ通知 県⇒全国センターへ送信 =市、県は送るだけ

  全国センター⇒国の行政機関へ提供            =国は利用するだけ

自治体が本人確認情報の提供先である国の機関等の安全性を確かめる手段がない。

本人確認情報の提供先での情報漏洩、目的外利用などに対する規制に不備。

全国センター(地方自治情報センター)は総務省の天下り先の民間企業。市との関係ない。

(情報アクセスに対する多額の手数料収入、これは本来、市町村が取れた収入)

 <情報漏洩があった場合の責任の主体>

結局、住基ネットの管理主体は、市町村。

市町村の予算で住基ネットに参加し、市民にコードをつけ、データは国に渡し、市の職員が管理を担当し、説明責任も市が負い、損害賠償責任も市が負っているのでは・・・。

所沢のセキュリティは仮に万全とし、他で情報漏洩があった場合、市民からの苦情に対し、市はどのような対応、援助をするのか、データを通知した所沢市の責任は・・・。

片山総務大臣

「これは総務省や国のネットワークではない、自治体と合意の上のネットワークだ」

 <地方自治の本旨(自治体に主体性はないのか)>

新地方自治法(2001年4月)によれば、国と地方自治体は法律的には対等な立場。

住基ネットは市町村事務として、市町村の判断が尊重されるべき。

 <住基ネット施行延期意見書>

住基ネット施行延期意見書を採択した自治体…73市区町村議会(内町村は49、2県議会)

住基ネット施行延期の要望書を提出した首長…49人

* 住基ネットを考える所沢市民の会の活動について

<連続講座> 

*3月15日(土) 「電子自治体に住基ネットは必要か」15時30分から2時間(無料)

☆講師 西邑亨(所沢市在住、フリーライター/通信NGO:JCA-NET理事、反住基ネット連絡会)

新所沢公民館 埼玉県所沢市緑町1−8−3  п@042−924−2955

*4月26日(土) 「監視社会と住基ネット」     14時から2時間(無料)

☆講師 吉村英二(所沢市在住、日本消費者連盟、反住基ネット連絡会)

文化会館 会議室 所沢市宮本町1−20−40 п@042−923−1241

所沢、西所沢、航空公園駅より徒歩13分、旧市役所横、駐車場あり

他に、韓国ビデオ「住民登録証引き裂け」の貸出や講師の派遣をしております。

<これまでの活動内容>

住基コード通知はがきの返上、市長宛「住基ネット質問状」、市議会議員に「住基ネットアンケート」、市民講演会の開催、個人情報保護条例に基づく、住基ネット中止削除請求、異議申立て、口頭意見陳述、住基ネット反対の署名付き「要望書」提出など、市民の立場からの様々な提言をしております。

入会金や会費はありません。ご興味ある方はご連絡下さい。

住基ネットを考える所沢市民の会 代表者 大和田 諭史 (会社員)

ホームページ http://www.juki85.org/tokorozawa/