住民基本台帳ネットワークについての質問書と回答


西東京市長
保谷高範様
住基ネットとプライバシーを考える会

住民基本台帳ネットワークについての質問書

 平素は西東京市行政にご尽力いただきありがとうございます。
 私たちは、8月5日に西東京市も参加して稼動が始まった「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」について、住民のプライバシー保護の観点から重大な関心を寄せている西東京市民の有志です。
 住基ネットの接続によって、市の管理する個人情報が全国にめぐらされたネット上のいずれかから漏洩するリスクは確実に高まったと私たちは危惧します。市民の個人情報を適正に取り扱い、市民の権利を保護し、基本的人権の擁護に努める責務を負う西東京市としては、個人情報漏洩や不正利用などといった予想されるリスクに対して、どのように対応されているのか、以下の諸点についてご回答をいただきたく宜しくお願い申し上げます。
(なお、いただきました回答は、広く市民の目にふれる形で公開する予定です)


住民基本台帳ネットワークシステムについての質問書に対する回答

【回答】 市民生活部 市民課

1)西東京市の個人情報保護条例においては、法令に基づいて個人情報を市以外のものに提供する場合は、「個人情報の市用目的若しくは使用方法の制限その他の必要な条件を付し、又はその適正な取扱いについて必要な措置を講ずることを求めなければならない」と定めております(第10条)。住基ネット接続によって、国または都など他の自治体に個人情報を提供する場合、市はどのような条件を付け、またどのような措置を講ずることを求めていますか。
【回答】
 住民基本台帳ネットワークシステムは、平成14年8月5日施行の改正住民基本台帳法により稼動しています。住民基本台帳法(以下「法」と表現します。)第30条の5の規定に基づき、市町村長は、住民票の記載等を行った場合は、住民の本人確認情報を都道府県知事に通知するものです。
国の行政機関等、都道府県が情報提供を行う範囲や利用目的は、法により限定され、また、本人確認情報の保護措置、安全確保措置、関係職員の秘密保持義務に関する事項も法の規定に基づき遵守すべきものです。
このことから、市としては条件は付しておりません。

2)文京区、国立市、我孫子市、古河市など多くの自治体では、住基ネットでの何らかのトラブルによって住民の個人情報保護に支障が生じた場合に、条例の規定にかかわりなく首長の判断で住基ネットとの接続を切断する方針が明らかにされています。同様のトラブル発生時、当市ではどのような対応をとるお考えでしょうか。
【回答】
 西東京市住民基本台帳ネットワークセキュリティ対策基準に基づき、障害時、緊急時対策に関しては、重要度、脅威度に応じ、セキュリティ管理者等による対処、情報セキュリティ対策会議の開催により、システム停止等重要事項を決定し、必要な措置をとります。

3)住基ネット接続による住民のメリットはなんでしょうか。具体的に例示をお願いいたします。
【回答】
 住民基本台帳ネットワークシステム接続によるメリットは、第1次稼働(本年8月)開始後、利用が逐次推進され、第2次稼働(平成15年8月予定)により、サービスが拡充され、システムが展開されていきます。
@ 住民負担の軽減とサービス向上
 ・恩給、年金などの現況説明のほか、無線局免許、不動産鑑定士の登録、建設業許可、宅地建物取引主任者資格の登録等各種資格の申請、一般旅券の記載事項の訂正等の申請の際に住民票の写しの添付の省略が可能となる予定です。
A 住民基本台帳カード利用によるサービス向上
 ・窓口手続きが、スピードアップします。
 ・市町村の区域を越えて、住民票の写しの交付が受けられます。
 ・転入転出の手続きが簡単になります。
 ・写真付きのものは(希望により)、身分証明書として、活用が可能となります。
 ・本人確認が、確実に行えることにより、不正行為を防止できます。
 ・市町村が、条例で定める独自のサービスを受けることもできます。

4)西東京市の住基ネット参加にかかわる、今年度および昨年度の予算と、想定している年間のシステム維持費をおしえてください。また、住基ネット稼動にともなう住民票発行手数料の収入減はどの程度を見込んでいますか。
【回答】 概算数値です。
@ 平成13年度予算について
 68,000千円(機器リース料(5年)、システム改修等)
A 平成14年度予算について
 6,000千円(リース料等)
B 想定している年間システム維持費
 2,000千円(リース料等)
C 証明書発行手数料の収入減について
 第2次稼働に伴い、住民票提出省略に伴う交付部数の減並びに広域交付を利用した場合の住民票の交付手数料への影響度に関しては、その利用度が推定しにくいため、現時点では、手数料の増減についての見込みは出せません。西東京市において、直ちに手数料の収入減に結びつくものではないものと考えられます。

5)当市では住基ネットのアクセスログを公開しますか。またアクセスログの保存期間はどのくらいですか。
【回答】
 アクセスログの公開については、その取扱いに係る通知が国等から出されていません。また、公表に伴うセキュリティ対策面への影響並びにシステム面における対応について、検討を進めているため、現時点では、お示しすることができません。
 なお、保存期間は7年となっています。

6)総務省は、住基ネットを庁内LANに接続する場合、住基ネットへの常時接続をやめるか庁内LANとインターネットの接続を行わないように支持しています。当市の場合、保谷庁舎と田無庁舎とのシステム結合はどのように行われていますか。
【回答】
 保谷庁舎と田無庁舎とのシステムは、住民基本台帳ネットワークシステム専用回線により、接続、結合しています。

7)西東京市個人情報保護条例第10条が規定する「目的外利用」とは、現在までにどのようなケースがありましたか。また今後もある場合、住民票コードが市の担当者以外に知られないような配慮はなされていますか。
【回答】
 西東京市発足後、事例はありません。
 今後、住民票コードの取扱いに関しては、住民基本台帳法及び西東京市個人情報保護条例の規定の遵守とともに、セキュリティ対策基準等に基づき、十分配慮していきます。

8)当市では住基ネットの端末にアクセスできる職員にどのような制限を設けていますか。宇都宮市では職員による不正利用や情報漏洩を防ぐため、端末操作に必要なカードを夜間は金庫で保管する・担当職員以外は端末を操作しない・システムの使用者、使用状況を文書にして公開する、などの「システム取扱いマニュアル」を策定しています。当市では同種のマニュアルはありますか。また明文化されたマニュアルがもしない場合は、たとえば上記の3点については、どのように取り扱われていますか。
【回答】
 ・西東京市住民基本台帳ネットワークシステムセキュリティ対策基準、マニュアルにより、対策を講じ、実施しています。
 ・対策基準及びマニュアルでは、事務室の管理、機器の管理、操作者の権限、カード・暗証番号の管理、端末装置の運用等セキュリティ対策に必要な事項について定めています。

9)来年8月から住基ネットと連動したICカードの導入が予定されています。当市では、ICカードにどのようなサービスを付加される計画ですか。現段階でのお考えを教えてください。
【回答】
 第2次稼働に伴う、市におけるICカードの活用に関しては、市が条例で定めるところにより、独自のサービスを行うことができます。活用例としては、印鑑登録証明事務、福祉サービスなどが挙げられていますが、現時点では、未定です。

10)埼玉県志木市では、住民アンケートを実施して反対が3割を超えた場合はネット離脱も検討するという方針を市長が明らかにしています。離脱する・しないの判断は別として、当市では住基ネットに関して市民の意向や意識を調査する考えはありませんか。
【回答】
 住民基本台帳ネットワークシステムに関して、市民の意向調査及び意識調査実施の考えは予定していません。


以上10点、質問が多岐にわたり、ご多忙中恐縮ですが、9月2日までに文書でご回答いただけるようよろしくお願い申し上げます。なお、この質問文は新聞各社にも発送してあります。

                       2002年8月24日

住基ネットとプライバシーを考える市民の会
連絡先 西東京市○○○
    樋口大貳